なぜ天窓(トップライト)で雨漏りが発生する?リスクや業者の選び方を解説

天井にシミができていたり、天窓付近から雨水が垂れてきたりして、「もしかして雨漏りしている?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
天窓は「トップライト」とも呼ばれる採光用の窓で、屋根に直接設置される構造上、雨漏りが発生しやすい箇所といわれています。
放置するとカビや建材の腐食につながる恐れがあり、早期の原因特定と対処が大切です。
この記事では、天窓から雨漏りする主な原因や見分け方を解説するとともに、修理・交換・撤去にかかる費用の目安も紹介します。
あわせて、業者選びのポイントについても詳しく解説するので、天窓まわりの雨漏りに悩んでいる方は参考にしてみてください。
目次
天窓(トップライト)から雨漏りが起きる主な原因

天窓から雨漏りが起きる原因は主に以下の4つです。
・シーリング材やパッキンの劣化
・防水シートやエプロンの経年劣化
・ガラスやフレームの破損
・施工不良
応急処置や修理費用は雨漏りの原因によって異なります。
まずは、雨漏りにはどのような原因があるのか把握しましょう。
シーリング材やパッキンの劣化
天窓の周囲には、雨水の浸入を防ぐためにシーリング材やゴムパッキンが使われています。
シーリング材やゴムパッキンは、紫外線や風雨にさらされることで次第に劣化し、硬化・ひび割れ・縮みなどが発生します。
天井にシミやカビが見られる場合は、シーリング材やパッキンの劣化による雨漏りが原因の可能性が高いです。
防水シートやエプロンの経年劣化
屋根と天窓の接合部には、防水シートやエプロン(天窓下部にある排水用の板金)が施工されています。
防水シートやエプロンが劣化・破損すると、排水機能が低下し、雨水が浸入しやすいです。
普段目に見えない部分なので、被害が出ているときには症状が深刻になっているケースもあります。
ガラスやフレームの破損
天窓は屋根の高い位置にあるため、台風や飛来物、積雪などの影響を受けやすく、ガラスが割れることがあります。
ガラスにひびが入ると、破損箇所が雨漏りの原因になりやすいです。
ガラスやフレームに不具合が生じると、防水性能が大きく低下し、雨漏りのリスクが高まります。
施工不良
新築やリフォームの直後に雨漏りが発生した場合、施工不良が原因である可能性が高いです。
天窓と屋根の接合部には、防水シートや水切り板金を使って雨水の浸入を防ぐ処理がされています。
しかし、以下のような施工ミスがあると雨漏りにつながりやすいです。
・防水シートの貼り方が不十分だと排水機能が低下する
・板金の重なりや固定が適切でないと、隙間から雨水が浸入する
・目に見えない部分でのミスが、後に大きな雨漏りにつながることがある
施工直後に雨漏りが起きた場合は、施工時の処理に問題があった可能性があります。
天窓(トップライト)付近の雨漏りを放置してはいけない理由

雨漏りは見えない場所でじわじわと進行し、気づいたときには被害が広がっているケースも少なくありません。
ここでは、天窓まわりの雨漏りを放置すると起こり得る代表的なリスクを2つご紹介します。
カビが発生しやすくなる
天窓付近から雨水が浸入すると、外壁内部に湿気がこもりやすくなります。
湿気が多い状態が続くと、次のようなリスクが生じます。
・カビはアレルギーや喘息など、体調不良の原因となることがある
・カビが目に見える状態であれば、内部ではすでに広範囲に繁殖している可能性がある
・建材や断熱材にカビが広がると、除去や補修に手間と費用がかかる
カビの発生は健康リスクだけでなく、住まいの劣化も早める要因となります。
雨漏りを見つけたら、早めに対処しましょう。
屋根材が腐食しやすくなる
天窓から浸入した雨水が屋根裏や壁の中に入り込むと、下地の木材が濡れた状態のままになりやすくなります。
濡れた木材は腐食しやすく、放置すると建物全体の耐久性が低下する恐れがあります。
一見すると問題がないように見えても、内部で深刻なダメージが進んでいるケースもあるため注意が必要です。
天窓(トップライト)の雨漏りの修理・補修は業者に相談しよう

天窓からの雨漏りに対しては、防水テープやコーキング材での補修、天窓周辺の清掃といった応急処置もあります。
不具合を一時的に防ぐ・緩和するためには、応急処置が必要です。
しかし、自己判断で修理・補修まで行ってしまうと、次のようなリスクが伴います。
・原因を正しく特定できず再発する恐れがある
・かえって状況を悪化させることがある
・高所での作業は落下の危険がある
根本的に雨漏り問題を解決したい場合は、専門業者に点検と修理を依頼しましょう。
天窓(トップライト)の修理・交換・撤去の相場

天窓まわりの修理費用は、作業内容や設置環境によって大きく変動します。
比較的軽度なものであれば、コーキング材の打ち直しで3〜10万円程度、防水シートの交換が必要な場合は15万円〜が目安です。
天窓の撤去工事は、既設の屋根材や撤去後の補修内容により異なりますが、20〜50万円程度で行われるケースが一般的です。
また天窓の交換工事はサイズや種類、屋根の形状・素材によって費用に幅があり、30〜200万円程度かかることもあります。
いずれの作業も足場の設置が必要になる場合が多く、現場の状況に応じて追加費用が発生する点には注意が必要です。
天窓(トップライト)の雨漏り修理・補修で信頼できる業者を見極めるポイント

信頼できる業者を見極めるポイントは以下の5つです。
・雨漏り修理のノウハウを持つ職人がいるか
・過去に多くの天窓修理を行っているか
・見積もりに不明瞭な項目がないか
・地域で信頼や実績があるか
・強引な営業や契約を迫らないか
天窓の雨漏り修理を依頼する際は、信頼できる業者を見極めることが重要です。
まず、雨漏り修理に関する知識や技術を持つ職人が在籍しているかを確認しましょう。
有資格者がいれば、一定程度の知識や技術を持つ職人がいることが分かります。
あわせて、天窓まわりの施工実績が豊富かどうかも重要なポイントです。
公式サイトに施工事例が掲載されていれば、対応力や施工品質を確認できるため安心です。
見積もり内容にも注意しましょう。
「施工一式」などの曖昧な表記がある場合は、詳細を確認してください。
不明瞭な費用があると、後から追加請求される恐れがあります。
また、地域に根ざした実績や口コミも参考になります。地域での信頼が厚い業者は、アフター対応も丁寧なことが多いです。
最後に、強引な営業や即決を迫るような対応をする業者は避けましょう。
誠実な業者ほど、検討の時間をしっかり確保してくれます。
「天窓修理の匠」が手がけた施工事例

「天窓修理の匠」は、修理・交換・撤去に限らず、数多くの施工を手がけてきました。
これまでに対応した施工事例を紹介します。
天窓修理を行った事例
【施工前】

【施工中】

【施工後】

築25年の戸建て住宅で、天窓が設置されている天井付近から雨漏りが発生していました。
室内に水が垂れてくる状態で、生活に支障をきたしているとのご相談を受けました。
現地調査の結果、新築時の施工不良が原因であることが分かり、天窓の下地も腐食している状態でした。
部分的に板金屋根を葺き替える工事を行い、雨水の浸入を防ぐ処置を施しました。
施工後は、大雨が降ってもまったく雨漏りが起こらず、お客様にもご満足いただけました。
天窓修理を行った事例
【施工前】

【施工中】

【施工後】

築35年の戸建て住宅で、天窓のまわりから雨漏りが発生しているとのご相談を受けました。
現地調査を行ったところ、天窓のガラス部分にわずかなズレが生じていたことが漏水の原因でした。
ズレのあった部分にコーキング材を注入し、防水処理を強化することで対応しました。
施工後は長年続いていた雨漏りが改善され、お客様にも安心していただけています。
天窓交換を行った事例
【施工前】

【施工中】

【施工後】

新築時から設置されていた天窓で、ガラスの縁部分から雨漏りが発生しており、外側からのメンテナンスが必要な状況でした。
安全に作業を行うには足場の設置が不可欠だったため、これを機に天窓自体の交換を提案しました。
既存の屋根を部分的に撤去し、最新モデルの天窓に交換しました。
施工後は雨漏りが解消しました。お客様からは「安心して過ごせるようになった」とお褒めの言葉をいただいています。
天窓撤去を行った事例
【施工前】

【施工中】

【施工後】

店舗の屋根に設置された天窓から雨漏りが発生し、営業中に室内へ雨水が落ちる状態が続いていました。
応急処置を施しても改善されません。
そこで調査した結果、窓まわりの防水シートや枠の劣化が進んでいることが分かりました。
修理では対応しきれないと判断し、天窓の撤去を提案しました。
天窓周辺のスレート屋根材を撤去し、同等の新しい屋根材で施工を行ったことで、雨漏りは完全に解消されています。
天窓(トップライト)から雨漏りしている場合は早めに信頼できる業者へ相談しよう

天窓からの雨漏りは、シーリング材の劣化や防水処理の不備など、さまざまな原因が考えられます。
症状が軽いように見えても、内部では腐食やカビが進行している恐れがあり、放置すれば被害が拡大するリスクもあります。
自己判断での補修では、かえって状況を悪化させる可能性があるため、早めに専門業者へ相談することが重要です。
施工実績や見積もりの明瞭さ、対応の丁寧さなどを確認し、信頼できる業者を選びましょう。
特に天窓に詳しい業者であれば、根本的な原因を見極めたうえで適切に修理・交換・撤去まで対応してくれます。
被害を最小限に抑えるためにも、早期の相談と対処をおすすめします。

この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。