天窓(トップライト)の雨漏りはコーキングの劣化が原因?補修方法も紹介

この記事は「内野 友和」が
書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

「天窓の雨漏りは、コーキングの劣化が原因なの?」
「コーキングを補修すれば天窓の雨漏りは直せる?」
「天窓の雨漏りに対してコーキング補修をする場合の費用が知りたい」
このように、天窓が雨漏りする原因の一つ、コーキングの劣化についてお悩みの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、コーキングの補修にかかる費用相場や、コーキング補修をしても直らないケースなどをご紹介します。
この記事を読むと、コーキング補修の方法を判断でき、雨漏りのお悩みも解決しやすくなります。
ぜひ、最後までチェックしてみてください。
目次
天窓(トップライト)の雨漏りはコーキングの劣化が原因の場合もある

天窓の雨漏りの原因の一つに、天窓の枠とガラスの隙間を埋めているコーキングの劣化があります。
コーキングとは、施工時にできる隙間などに充填するペースト状の材料のことです。
隙間をコーキングで埋めることで、防水性や気密性を高め、雨漏りを防ぎやすくなります。
コーキングは水の浸入を防ぐ重要な役割を持ちますが、時が経つにつれて劣化します。
天窓は、建物の屋根に設置されているケースが多く、常に紫外線にさらされている箇所です。
コーキングも常に紫外線による影響やダメージを受けていることから、時間の経過に伴い、ひび割れや肉痩せが発生しやすくなります。
劣化したコーキングと天窓の隙間から雨水が浸入すると、雨漏りへとつながるケースがあるため、注意が必要です。
天窓(トップライト)に発生した雨漏りをコーキング補修で直す方法

天窓の雨漏り修理のためにコーキング補修を行う場合、打ち替えと増し打ちという2つの方法があります。
それぞれの工事ではどのような作業を行うのか、具体的に解説します。
打ち替え
打ち替えとは、古いコーキングを撤去し、新しいコーキングを打ち込む工事です。
コーキング材を打ち込む前には下塗り材を塗布し、コーキングと下地の密着性を高めます。
コーキング材を打ち込んだ後は、ヘラで表面を整え、よく乾燥させます。
コーキングを十分に乾かし、硬化させなければ防水性能の低下にもつながるため、乾燥時間をしっかり守る事が大切です。
打ち替え工事では、劣化したコーキングを完全に取り外して新しいコーキングを密着させることで、気密性や防水性を回復させられます。
増し打ち
増し打ちとは、古いコーキングを残したまま新しいコーキングを重ねる工事です。
増し打ちは、古いコーキングを撤去する必要がないため、作業の難易度が低く、工期や費用を抑えやすい工事です。
しかし、劣化が進んだコーキングに新しいコーキングを増し打ちしても、下地と密着しにくいことから、剥がれてしまう恐れがあります。
そのため、雨漏り修理ではほとんどの場合において打ち替えが選ばれています。
天窓(トップライト)の雨漏りをコーキング補修で直す場合にかかる費用相場

天窓の雨漏り修理で、コーキング補修をする場合の費用の相場は約3~10万円です。
屋根に設置される天窓は、高所にある場合が多いです。
高所で作業する場合は、作業員の安全を確保するための足場を組み立てる必要があります。
そのため、足場が必要な場合には、上記の金額に加えて足場組み立て費用がかかることもポイントです。
足場の組み立て作業には費用だけでなく、組み立てのための日数も見ておく必要があります。
天窓の雨漏りをコーキング補修で直すことが難しい場合や、天窓の取り外しなどの工事に切り替えるケースでは、費用も変わってきます。
まずは、状態をしっかりと確認し、適切な工事を選択するのがおすすめです。
天窓(トップライト)の雨漏りがコーキング補修で直らないケース

天窓の雨漏りがコーキング補修で対処できないケースもあります。
具体的には、以下のような場合です。
・防水シートが損傷している
・ガラスやフレームが破損している
・板金加工時に施工不良が起きている
・天窓自体の寿命が過ぎている
以下で詳しく説明します。
防水シートが損傷している
防水シートが損傷していると、コーキングを補修しても意味がありません。
防水シートは雨漏りを防ぐ役割があるため、シートが破れていると雨水を防ぎきれないからです。
防水シートが損傷しているケースでは、防水シートを補修する、または交換する必要があるため注意が必要です。
ガラスやフレームが破損している
ガラスのひび割れやフレームの歪み、隙間などがあると、コーキング補修をしても雨漏りを止められません。
上記のようなケースにおいては、ガラスやフレームの交換が必要です。
板金加工時に施工不良が起きている
板金加工時に施工不良が起きている場合も、コーキングの補修で天窓の雨漏りに対処できません。
板金加工時の施工不良は、天窓を設置した時の施工不良の可能性もあります。
そのため、保証書を確認したうえで施工業者に確認してみることをおすすめします。
万が一のケースに備えて、工事の際には施工中の写真を撮っておくこともポイントです。
天窓自体の寿命が過ぎている
天窓自体の寿命が過ぎている場合も、コーキングの補修だけでは天窓の雨漏りに対処できません。
天窓の寿命は約20〜30年です。
屋根に穴をあけて設置している天窓は、年月が経ちパーツが緩んだり劣化したりしてくると、雨漏りのリスクが高まります。
天窓を設置してから年数が経過している場合には、業者に点検してもらったうえで交換を検討するのがおすすめです。
天窓(トップライト)の雨漏りを自分でコーキング補修して直そうとするのはNG

コーキングによる補修作業は、知識や技術を必要とします。
そのため、天窓の雨漏りを自分でコーキング補修して直すのは避けることをおすすめします。
ホームセンターやネットでは、さまざまな種類のコーキング材が手に入りますが、使い方や分量を誤ると、状態を悪化させてしまうケースもあるからです。
自分で補修しようとして断念し、業者に依頼するとなった場合は、時間も費用もムダになってしまいます。
また、天窓を設置している屋根の上は高いため、素人が作業するのは非常に危険です。
雨漏りの原因を確認してみたら、コーキングの劣化によるものでなかった、という可能性もゼロではないため、最初からプロの業者に依頼するのがベストです。
天窓(トップライト)の雨漏りを防ぐ方法

天窓の雨漏りを防ぐ方法には、以下の3つがあります。
・定期的に点検する
・必要に応じて屋根との接合部のメンテナンスを行う
・天窓を交換する
それぞれについて、以下で詳しく説明します。
定期的に点検する
定期的に点検することで、不具合に早く気付けるため、雨漏りを防ぎやすくなります。
具体的には、コーキングや防水シート、ガラスの状態の定期的な確認がポイントです。
天窓自体の寿命は約20〜30年ですが、コーキングや防水シートは劣化しやすい箇所なので、3~5年ごとに点検するのがおすすめです。
必要に応じて屋根との接合部のメンテナンスを行う
屋根との結合部のメンテナンスを行うことで、天窓の雨漏りを防止しやすくなります。
雨漏りは、天窓のコーキングの劣化や防水シートの損傷などが原因です。
コーキングや防水シートの補修、交換を行うことで水の浸入を防ぎやすくなり、雨漏り対策に役立ちます。
天窓を交換する
天窓を交換することも、雨漏りの防止に有効な対策です。
天窓が劣化しているサインに、ガラスに結露が発生しやすいことやフレームが腐食していることがあります。
これらの不具合を発見した場合は天窓の劣化サインと捉え、雨漏りが起きる前に交換を検討することをおすすめします。
天窓に発生した雨漏りは自分でコーキング補修せず、プロの業者に依頼して直そう

天窓に発生する雨漏りの原因の一つがコーキングの劣化です。
天窓は屋根に設置されていることが多いため、常に紫外線や雨風にさらされています。
天窓の周囲の隙間を埋めているコーキングは、雨漏りを防ぎやすくしたり、気密性を高めたりする大事な役割を持ちます。
しかし、コーキングも紫外線などの影響を受け、劣化するケースがあるのです。
コーキングの補修作業を適切に行うためには、きちんとした知識や、高所での作業を適切に行える技術が必要です。
天窓の雨漏りは自分でコーキング補修せず、プロの業者に依頼して直してもらうことをおすすめします。

